弊社では生産者との関係構築を重要視し、定期的に海外出張を行っております。
今回は、前回に引き続き海外出張レポート、フランス・ブルゴーニュ編③をご紹介いたします。
前回のブルゴーニュ編②をまだご覧になっていない方は、是非そちらもご覧ください。
⇒「フランス・ブルゴーニュ編② / カーヴ・デ・ヴィニュロン・ド・ビュクシー」を見る
目次
1.メルキュレ村
コート・シャロネーズの北部、リュリーとジヴリの間に位置する村。コート・シャロネーズの中でも最も知名度のある村名アペラシオンです。
石灰質か粘土質の葡萄栽培に適した土壌で、ピノ・ノワールとシャルドネを主体に赤ワインと白ワインが造られております。
生産量は赤ワインが約85%であるのに対し、白ワインはわずか15%と、赤ワインの生産量の方が圧倒的に多いアペラシオンです。特に赤ワインにおいては「コート・ド・ボーヌの好敵手になりうる」と言われるほど、高い品質のワインが生み出されます。
2.シャトー・ド・シャミレー
「メルキュレはコート・シャロネーズの中でも一段格上の村」と評されるなど、コート・ドールの影に隠れがちですが、メルキュレ村はブルゴーニュの銘醸地としても知られております。その中においてトップクラスの造り手とされるのがシャトー・ド・シャミレー。
17世紀より続く由緒ある造り手で、現在はドメーヌ・デ・ペルドリなどを所有するドゥヴィラール家が運営しております。現オーナーの義父、ジョアンヌ公爵が1934年に周囲に先駆け自社瓶詰めを始めるなど、この地のワイン造りを牽引し続けてきました。
メルキュレ村内に37haの畑を所有し、そのうちの約半分がプルミエ・クリュ。栽培はリュット・レゾネを採用、細やかな収量制限や手作業での収穫など丁寧な畑仕事を行います。
【畑見学】
まずは、畑を見学させていただきました。
こちらは石灰岩や泥灰岩など様々な土壌の畑。もっと下に行くと粘土の土壌も。色々な土壌があることで味わいもバランス良いものになるとか。
基本的に、石灰質土壌の畑にはシャルドネを、粘土質土壌にはピノ・ノワールといったように畑の特徴に合わせて葡萄を植えているそうです。
こちらは赤のプルミエ・クリュの畑「ル・クロ・デュ・ロワ」。赤い粘土質の土壌であることが良く分かります。
こちらは白ワイン用の畑。白い石が沢山転がっており、先ほどの赤ワイン用の畑とは全く異なります。この白い石が日中の太陽の熱を吸収し、夜間まで温かさを保つ為、葡萄が早く熟すそうです。
先述した通り、メルキュレ村では赤ワインの生産比率が85%で、白ワインはわずか15%程。
赤ワインのイメージの方が強いアペラシオンですが、シャミレーにおいては所有する37haの畑のうち約30%が白ワイン用の畑であり、メルキュレ村でも最も多く所有しているそうです。
【テイスティング】
新ヴィンテージを含めいくつか試飲させていただきましたので、ご紹介させていただきます。
○MERCUREY BLANC 2022 メルキュレ・ブラン 2022 (欠品中、次回入荷予定)
【品種】シャルドネ100%
【コメント】7つの異なる区画のブレンド。丘の一番高いところで、石灰岩の多い土壌。
透き通るような綺麗な酸味とふくよかな柑橘の果実味。エキゾチックなアロマもあるので、ペアリングにもおすすめ。
○MERCUREY BLANC 1ER CRU LA MISSION MONOPOLE 2022 メルキュレ・ブラン・プルミエ・クリュ・ラ・ミッション・モノポール 2022 (欠品中、次回入荷予定)
【品種】シャルドネ100%
【コメント】1.9haのモノポールの畑。ル・クロ・デュ・ロワのすぐ上に位置し、石灰岩土壌。フラッグシップ。非常に良い土壌の為、難しいヴィンテージでも比較的影響を受けづらい。100%樽(228L)で発酵、熟成。新樽率は25%。
ライムやグレープフルーツなどの柑橘果実、樽の味わいは全くしつこくなく非常に上品な味わい。熟成ポテンシャルも。
○MERCUREY ROUGE 2022 メルキュレ・ルージュ 2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】10個の小さな区画とプルミエ・クリュも10~15%使用。土壌は赤い粘土、白い石灰岩など全部異なり、バランス良い味わいに。
フローラル、チェリーなどの小さな赤い果実の香り。スパイシーさも。2020ヴィンテージはアルコール度数も高く、黒い果実が目立つ味わいでシャミレーのスタイルではなかったが、2022ヴィンテージは赤い果実のジューシーな味わいで非常に良い年とのこと。
○MERCUREY ROUGE 1ER CRU CLOS DES RUELLES MONOPOLE 2022 メルキュレ・ルージュ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・リュエル・モノポール 2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】クロ・デュ・ロワが赤い果実であるのに対し、クロ・デ・リュエルは黒い果実が混じる。
甘やかな赤系の果実と黒い果実の味わい、スパイシー。2022ヴィンテージは既に開いており親しみやすい味わい。
※現行ヴィンテージが変更になっている場合がございます。その際はこちらをご確認ください。
ブルゴーニュ編③は以上になります。次回もお楽しみに!
3.その他のおすすめワイン
○BOURGOGNE PINOT NOIR 2022 ブルゴーニュ・ピノ・ノワール 2022 (新ヴィンテージ、次回入荷予定)
【生産者】ドメーヌ・デ・ペルドリ
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】樹齢60~80年、ニュイ・サン・ジョルジュのすぐ近くの畑。瓶詰め前の為、タンクからのサンプルを試飲。豊かな赤系果実の香り、じんわりとした旨味と酸味。
○NUITS SAINT GEORGES 2022 ニュイ・サン・ジョルジュ 2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【生産者】ドメーヌ・デ・ペルドリ
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】ヴォーヌ・ロマネのすぐ上にある1.16haの畑より。一番古いものは1937年に植樹。間隔を狭めて樹を植えている為、根は下へと伸び、複雑味が出る。甘やかな赤系の果実。フルーティーなスタイル。
○NUITS SAINT GEORGES 1ER CRU LES TERRES BLANCHES 2021 ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ・レ・テール・ブランシュ 2021 (欠品中、次回入荷予定)
【生産者】ドメーヌ・デ・ペルドリ
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】2021年は霜害も病気もあり、しっかりと選別を行った為、よりエレガントで綺麗な、良い品質になったと。石灰岩土壌の為、典型的なタニックなニュイ・サン・ジョルジュとは異なり、フィネス、エレガンスがあるとのこと。
○ECHEZEAUX DU DESSUS 2021 エシェゾー・デュ・デュス 2021
【生産者】ドメーヌ・デ・ペルドリ
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】アペラシオンの中でも中心に位置し、より良いロケーションだそう。赤黒混在の果実香。厚みのある黒系果実とスパイシーな味わい。きめの細かいタンニン余韻が非常に長い 。ストラクチャーのしっかりとした素晴らしいワイン。
※現行ヴィンテージが変更になっている場合がございます。その際はこちらをご確認ください。
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