弊社では生産者との関係構築を重要視し、定期的に海外出張を行っております。
フランス出張レポートもいよいよラスト!フランス・ブルゴーニュ編【最終回】をご紹介いたします。
前回のブルゴーニュ編⑤をまだご覧になっていない方は、是非そちらもご覧ください。
⇒「フランス・ブルゴーニュ編⑤ / ドメーヌ・オドゥール・コカール」を見る
目次
1.ジュヴレ・シャンベルタン村
コート・ド・ニュイ地区のフィサン村とモレ・サン・ドニ村の間にある村。グラン・クリュを持つ村としてはコート・ド・ニュイで最北に位置する村です。プルミエ・クリュには26の区画、グラン・クリュにはブルゴーニュでも最多の9つの区画が認められており、その筆頭としては、特に高いポテンシャルを持つ「シャンベルタン」、ブルゴーニュ史上最も古い銘醸畑の「シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ」があります。
土壌は酸化鉄を含む粘土石灰質土壌。土やスパイス、動物的な香りを持ち、鉄っぽいミネラル感が特徴。酸味もしっかりとありタンニンも力強いため、男性的な味わいと言われるほど、ストラクチャーのしっかりとしたワインになります。長期熟成にも耐えうるワインで、若いころはパワフルだった味わいも、熟成を経てビロードの様な滑らかな味わいに変化します。
2.ドメーヌ・トルトショ
ドメーヌ・トルトショは1865年から4世代に渡りワイン造りを行うジュヴレ・シャンベルタン村の造り手。ジュヴレ・シャンベルタン村のワイナリー労働組合会長やINAO(国立原産地統制呼称委員会)委員を務めるなど、この地のワイン造りに多大な貢献をした先代のガブリエル・トルトショが手掛けたワインは、ロバート・パーカーが絶賛するなど高い評価を得て、ジュヴレ・シャンベルタン村における有力生産者の地位を確立しました。
2003年からリュット・レゾネでの栽培を始めるなど環境に配慮した取り組みを始め、2008年には全ての畑をビオロジック栽培に転換。2013年にはエコセールの認証も取得しております。
現在はガブリエルの娘であるシャンタルとブリジットが跡を継ぎ、自然に優しい栽培、テロワールを実感できる味わいのワインを志して、ワイン造りを行っております。
【醸造施設見学】
まずは、ドメーヌおよびジュヴレ・シャンベルタン村の概要などの説明を受けました。
トルトショではジュヴレ・シャンベルタン村がメインで、クロ・ド・ヴージョにも少し畑を所有しております。年間で6万ボトル生産しており、うち80%が村名、10%がプルミエ・クリュ、残りの10%がグラン・クリュという内訳です。
こちらはジュヴレ・シャンベルタン村全体の土壌の分析を行って作成したマップです。(写真右側)
かつて川があった場所は礫石(薄い黄色部分)が多く、扇状に広がっていることが分かります。グラン・クリュの位置するあたりは石灰岩の多い土壌。小さいエリア内で様々な土壌が入り混じっています。
先述の通り、全ての畑がオーガニック、エコセールの認証も取得済み。
畑ごとの植えた年などを一覧にされており、非常に細かく管理されていることが伺えました。
畑の樹齢は平均で60年。ヴィエイユ・ヴィーニュになると収量は減りますが、凝縮された味わいになると仰っておりました。
その後、醸造施設内を見学させていただきました。
こちらはラベルを貼る機械。
トルトショのラベルは、畑仕事において一番大事な要素である「土壌」と「太陽」をイメージしております。
また、ラベルにある「GRAND VINS DE TERRE (TERRE=土壌、大地の意味)」の文字は、ワイン造りにおいて“テロワールの表現”を重視していることからラベルのデザインに入れているそうです。
こちらは、1983年から続く「Saint-Vincent Tournante Wine Festival」(毎年1月に開催)が2000年にジュヴレ・シャンベルタン村で開催された際に描いてもらった絵。2020年にも20年越しに同村で開催されたそうです。
【セラー見学】
次にセラーを見学し、熟成中の樽から2023ヴィンテージの試飲をさせていただくことができました。
○MOREY SAINT DENIS 1ER CRU CUVEE RENAISSANCE 2023 モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・ルネッサンス 2023
2023年は暑い年だったので、生産数が多い。6月に雨が多かったので、暑くても土壌の水分が比較的保たれたそう。
○GEVREY CHAMBERTIN CHAMPERRIER VIEILLES VIGNES 2023 ジュヴレ・シャンベルタン・シャンペリエ・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2023
しっかりとした酸味が印象的。樽でじっくりと時間をかけて熟成させるので、フィルターは必要ないとのこと。
○GEVREY CHAMBERTIN 1ER CRU LES CHAMPEAUX 2023 ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・レ・シャンポー 2023
石灰が多い畑のため複雑感がある。赤系の澄んだ果実と綺麗なミネラル
シャンペリエと造り方は同じで、テロワールの違いを表現している。
○MAZIS CHAMBERTIN 2023 マジ・シャンベルタン 2023
生産者はまだまだ“赤ちゃん”と表現、今後が楽しみな味わい。
グラン・クリュのワインには新樽を多く使用しておりますが、それは村名クラスやプルミエ・クリュと比べてグラン・クリュのワインはストラクチャーがありパワフルなためです。強いタンニンを柔らかくするためには適度に空気に触れさせる必要があり、古樽よりも新樽の方が空気をより得られるという理由から新樽を多く使用しているそうです。
【テイスティング】
セラーの見学後はテイスティングルームに移動し、2022ヴィンテージの試飲を行いました。
○GEVREY CHAMBERTIN CHAMPERRIER VIEILLES VIGNES 2022 ジュヴレ・シャンベルタン・シャンペリエ・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】樹齢65年。生産数は多くない。10年以上熟成可能。
タニックで鉄の様なミネラル感が特徴的。
GEVREY CHAMBERTIN 1ER CRU LAVAUX ST JACQUES 2022 ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・ラヴォ―・サン・ジャック 2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】サン・ジャックは「クリスチャン」の意味。スペインまで歩いて巡礼を行う際の通り道がこの畑に近いことから名付けられた。
石灰岩の多い土壌。ベリー系の果実とミネラル感。若くても楽しめる。
CHARMES CHAMBERTIN 2022 シャルム・シャンベルタン2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】モレ・サン・ドニの隣に位置するため、男性的と言われるジュヴレ・シャンベルタン中でも繊細で女性的な味わい。
しっかりとした酸のある赤い果実の味わい。
MAZIS CHAMBERTIN 2022 マジ・シャンベルタン 2022 (新ヴィンテージ、現行は2020)
【品種】ピノ・ノワール100%
【コメント】シャルム・シャンベルタンと比べ、よりはっきりとしていて強さがある。
樽の味わいは既に溶け込んでおり、滑らか。
※現行ヴィンテージが変更になっている場合がございます。その際はこちらをご確認ください。
今回でフランス編の海外出張レポートは終了となります。ご覧いただきありがとうございました!
引き続き海外出張や生産者来日の様子をお届けしていきますので、よろしくお願いいたします。
3.その他のおすすめワイン
○MOREY SAINT DENIS 1ER CRU CUVEE RENAISSANCE 2022 モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・ルネッサンス 2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【品種】ピノ・ノワール100%
○GEVREY CHAMBERTIN 1ER CRU LES CHAMPEAUX 2022 ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・レ・シャンポー 2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【品種】ピノ・ノワール100%
○CHAMBERTIN 2022 シャンベルタン2022 (新ヴィンテージ、現行は2021)
【品種】ピノ・ノワール100%
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